ゆる部屋

好きなことしながらゆるりと生活していくこと(=ゆるりすと)を目指します。

とある1ステップについて ―中学数学問題集の記述より―

あっちこっちでも書いているとおり、私は数学勉強中だ。中学・高校時代ひどい数学嫌いになり、そのころの不勉強を取り戻すべく中学数学からやり直しているわけだが、勉強中に参考書や問題集を読んでいて躓いたり、あれ?と思って立ち止まることもよくある*1。数学ができる人にとっては「なんでこんなところで躓くわけ?」と思うかもしれないが、今日はそんな躓きポイントの一つを紹介したい。

「~整数より、…は奇数である」のロジック

例として語りかける中学数学のp. 502にある、中2の整数の証明問題を取り上げる。

問題 奇数の平方(2乗)は奇数であることを証明せよ


解答(証明)は以下のようになっている。

[証明]
奇数を2n+1とおくと(nは整数)、


(2n+1)^2=4n^2+4n+1
=2(2n^2+2n)+1



(2n^2+2n)は整数より、偶数に1を加えているので奇数。
よって、奇数の平方(2乗)は奇数となる。


実に(中学数学として)オーソドックスな問題および証明である(と思う*2)。しかし、私はここでつまづいた。つまづいたというか、あれ?と思った。

(2n^2+2n)は整数より、偶数に1を加えているので奇数

この記述が一瞬わからなかった。なぜ

(2n^2+2n)は整数より

という記述が必要なのか、理解できなかった。


この「~は整数より」・「~は整数なので」という文言は中学数学の整数の証明問題でよくお目にかかるのだが*3、いつも「なんでこの文言がいるんだよ・・・」と思っていたので、順を追って整理してみることにした(2ステップだけだが)。

ステップ1

奇数を2n+1とおくと(nは整数)

ここでまず「nは整数」と宣言する。なぜなら奇数とは2n+1(nが整数のとき)という形をとるから。

ステップ2

=2(2n^2+2n)+1
(2n^2+2n)は整数より、偶数に1を加えているので奇数。

この証明は要するにnという文字を使って奇数を表し、それを展開しても奇数の形になる、という流れになっている。なので、その展開した形=2(2n^2+2n)+1が2n+1(nは整数)の形になっていればよい。

では=2(2n^2+2n)+1は奇数の形になっているかというと、=(2n^2+2n)の部分をnと置き換えれば、見事2n+1のかたちになっている!やった奇数だ!


というわけにはいかない。まだ大事な条件「nは整数」を確認していない。この条件を確認していなければ、2n+1の形であっても「奇数である」とは結論付けられない*4


ここで=(2n^2+2n)を見てみると、最初にnは整数と宣言してあったので、=2n^22nもそしてそれを足し合わせた=(2n^2+2n)も整数であるといえる。


というわけで、

(2n^2+2n)は整数より

との一言を加え、見事、「奇数の平方(2乗)は奇数となる」と結論付けることができた。


ぱちぱちぱち・・・


ささやかだけど、持ち続けたいこと

順を追って考えて、「あぁそうだな、そりゃそうだよな」と納得しつつ、自分でも細かいとこで躓いた(というか立ち止まった)なーと思った。しかし私は(私のように数学に苦手意識を持っている人は)、こういう点で立ち止まり、そしてその溝を飛び越えるきっかけを持てずに、数学の道を引き返してしまうことがあるのではないか。この問題を引っ張ってきた語りかける中学数学はものすごく丁寧な参考書だと思うけれども、この1ステップは明示してくれていない。

このような躓き、立ち止まりがいっぱいあるといやだなぁと思う一方、細かいことに気づき、こだわり、考えることは重要だとも感じる。小さな壁にぶつかり、そしてそれを乗り越えることで、自分の思考能力をすこしずつでも広げられる気がするからだ。



ささやかな躓きだけれども、持ち続けたい。

*1:後述するが、躓くこと・立ち止まること自体はいいことだと思う。そこで躓き、立ち上がらないことが問題だ、と自分に言い聞かせる

*2:中学数学わからないくせにオーソドックスとか言っちゃっていいのかわからないから「思う」

*3:た、たぶん中学数学抜けてもよくお目にかかるよね・・・わからんけど(汗)

*4:まあ、この辺は自明のことなので、結論付けていい箇所かと思うが